日本映画NETでの配信用に制作された、原一男監督と３人のプロデューサーの皆さんに、映画「水俣曼荼羅」について語っていただくトーク番組です。
今回はインタビュアーを吉田伊知郎さんに務めていただいたので、ディレクターとしてやることは多くなかったのですが、制作の過程ではふたつのことを意識していました。
ひとつは、原一男という「巨人」をできるだけ相対化することです。原監督は、映画ファンにとってはドキュメンタリーの神様のような存在ですが、撮影する側がそういう前提で臨んでしまうと、どうしても閉じた印象になってしまいます。なので、原監督を知らない人、原監督の映画を見たことがない人にも、「面白いおじさんだな」「水俣曼荼羅、見てみたいな」と思ってもらえるように心がけました。
もうひとつ意識していたのが、監督ばかりにフォーカスするのではなく、スタッフの貢献にも焦点を当てて、「水俣曼荼羅」という作品を多面的、立体的に感じてもらうことです。原監督は全国の劇場で何度もトークをされていて、その話術はもう完成の域に達しているのですが、せっかくプロデューサーの皆さんも揃う機会だったので、そういう場でしか聞くことのできないお話を記録することに、この番組ならではの意義があると考えていました。